2015年2月19日木曜日

いろんな不幸(放浪記その11)

とにかく失恋してしまった僕は早く忘れないと大変な事になってしまうのではないかと思い、すぐにバイトをかえることを決断したのだ。

一緒に遊んでいた日本人の友達は3人でアパートの一室を借りて暮らしていた。3人ともバックパッカーで知り合った人達でアパート暮しをしてからもよく遊びに来ていたのである。

「ケンチャンさえ良かったら俺のバイト引き継いで、かつアパートも住んでくれないかなあ?そうしたら他の二人の家賃負担もかわらないし」

その人はオランダに旅行に行きたくて仕方なかったみたいで、しかもバイト代は今の仕事より時給で2ドルも高かった。

僕は喜んでその申し出をうけ、バイトと住まいを引き継いだのだ。

今回のバイトはあるホテル(まあまあいいホテル)の2階にある日本で有名な企業のレストランの厨房で夜中、機内食を作るという仕事だ。

僕は深夜に仕事をするという非日常的な感覚にワクワクしていた。

職場に向かう時はいつも帰宅する人達に逆行して向かうとき、なんか嬉かった。普通の感覚なら嫌がるかもしれないが、人と違うということに僕の細胞は喜ぶのだ。

そこでSさんという日本人シェフにお世話になることになる。

彼は日本人で、バンクーバーでかつて店を持っていた料理人だ。

何故いま夜中に機内食をつくる仕事をしているかまでの詳細はわからなかったが後で、あーなるほど思う出来事に僕は出くわす。

まあ、普段でも相変わらずの貧乏くじを引きまくっていた。

ある日、日本人軍団でダウンタウンを歩いていたら反対側の歩道に知っているカナダ人が歩いていた。僕は久しぶりに見たから嬉しくなって声をかけた。他のみんなも知っているヤツだったから同じく声をかけたんだ。

すると、こちらに気がついたゴッツイ白人は物凄い形相で私に向かってダッシュしてくると、僕の首を絞めて持ち上げたのだ!

はーーー?って思ったが足が完全に宙に浮いてるしwww 首は絞められて苦しいし、まったく意味がわからなかったが、回りのみんなが必死に彼をとめてくれたので一命はとりとめたのだ。

はたして街のど真ん中でネックハンキングツリーをされた事がある人は今の日本に何人いるだろうか?もっと言えば世界に何人いるだろうか?

彼は落ち着きを取り戻して理由を聞くと、僕が久しぶりの再会を喜んで笑顔を見せたのが、どうやら馬鹿にされた笑いと勘違いしたらしい。

ああ、そうかなら仕方ない、ってなるかー!なんでそうなるの?

結局彼は悪かったと言って夜再会の飲み会を兼ねてお詫びとして酒を奢ってくれたが、当たり前だ(笑)まだまだ安いぐらいだとは言えなかった(笑)今度はなにされるかわかったものではない。

彼は彼でいろいろあって心が病んでいたかもしれないなんて今ならうっすらわからなくもないが、やっぱりありえないよね。

そう、そのありえないを良く引くのだ私は。

そしてこの新しいバイト先でも僕は安定の引きをみせることになるのだ。

Sさんはシェフなので、一人で料理をつくりまくる。一日で150食とか多い日は250~300食を作っていた。デッカイ厨房の台にプレートを並べ容器を決められたとうり置いていく。

僕ともう一人のバイトと三人作業だから結構しんどかった。なんせ時間に追われるのではやく盛り付けないと間に合わない。飛行機は決まった時間に飛んじゃうからね。

盛り付けがおわるとどんどん、ラップやカバーをしていく、それがおわるとこんどは銀色のケース(ラーメン屋の出前でよくつかうヤツ)に一気にいれて、それを車に積み込む。

その後空港に電話して約束の注文確認をして車で空港に向かい機内食を下ろすという仕事だ。

なかなか大変だけど特殊感が半端なくておもしろかった。

Sさんはシェフなのでなんでも作れるのだが、ある日突然、仕事が終わってから

「腹へったなあ、なんか食わないか?」と言われ

「おなか空きましたね」

と答えるとSさんはおもむろに厨房の冷蔵庫をあけはじめた(笑)

いやいや、それはまずいでしょ?というとそうだけど、ちょっとぐらいいいだろと言って、ぜんぜんちょっとじゃないキングサーモンの切り身をだしてきたwww

このレストランは高級レストランで店の壁に飾っている絵画もおいてある彫刻も一級品ばかりだ、そんな高級レストランの営業が終わったあとに厨房で機内食をつくるという仕事なのだ。

当然、冷蔵庫の中身は超高級食材ばかり、Sさんはキングサーモンの切り身をステーキとして焼いてくれた。焼き加減はレアだったが一流食材を一流シェフが料理するとこんなことになるのかと感動する味だった。

サーモンとは言えそこにあったのは牛肉ではないかと錯覚するまさに肉が僕の口に入ってるではないか!

今なお、あの時のキングサーモンのステーキを超える味にであっていないです。

こう書くと、Sさんいい人じゃんてみんな思うかもしれないが、そう簡単にいかないのが僕の放浪記、次回はこの続きだお。またに。

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