2015年10月14日水曜日

野党税率

「今日から野党税率が施行されることになり明日からの衆議院選挙に対する影響が懸念されるなか、我々有権者はどう考えるべきか?」

「今日はこの野党税率について特集いたします。」

とうとう施行されることになったこの野党税率、しかしこの法案、今までのカスみたいな子供騙し法案と訳が違うのだ。

日本ではかれこれ戦後200年、その殆どを自民党が政権与党に君臨してきた。一番最後に与党の座を明け渡したのは134年前、民主党が3年間だけ、それもボロカスに罵られ、国民中から嘘つきと呼ばれ、なかば村八分的に引きずり下ろされてからもう130年以上にもなる。この国の民主主義は、もはや民主主義とは呼べず、一部の国民は自民党一党支配と、隣の国にかけた表現を用いてこの状況を揶揄した。

三権分立や国民主権など聞えのいいものは全て形骸化しあってないようなものに。それをいいことに次から次へと法案を成立させていった自民党。自民党総裁選に関わる規定も変えに変えて今では総裁任期は20年にまで伸びた。

選挙をしたところでまったく負けないので解散総選挙すらお祭り的なショービジネスと化した現代では総理大臣の任期は自民党内の総裁任期と直結する。すなわち、総裁任期を改定していけば知らない内に総理大臣の任期も延びるのである。

何年かに一年延ばすというやり方で、知らず知らず延びた総裁任期、その期間20年w

これは独裁政治をずっと続けてきた他国の独裁者も舌を巻く期間である。民主主義の形を崩さずに実質独裁に持っていっているのでこれほど悪どいものはない。

しかし、ニーチェに死んだと言われた神は生きていたのかもしれない。いやそう理解しないと納得できない事態になった。

その総裁任期17年目を迎える斎藤総理肝いりの法案が去年の国会で成立した。

「野党税率」である。

この法案、聞いてビックリ見てビックリ。なな、なんと野党に投票した者は消費税から所得税、並びにその者が経営者の場合、法人税すら減税措置をうける。

表向きの趣旨は、与党に投票した者なら納得してその国の税金を払うので脱税も少なく内乱も抑えられる、しかし万年野党に投票している者はだんだん危険な思想を持ち出したり、同じ税金を払う時に感じる痛税感も与党派の5倍はあるとの研究結果も出た。この状況を続けるのは民主主義としても良くない上に内乱の危険を高めるだけだと学者達があちこちでいいはじめたのである。

その税率も大変な数字で消費税25%から10%に、所得税率5%~40%のところ0%~20%、法人税は40%から20%と馬鹿か?と思わせる税率なのだ。

そのかわり選挙にいかなかったものは増税措置、全て関連する現状税率+10%である。これはヤバイ、消費税35%は殺人級。よって投票率は95%を越えるのではないかと言われている。

しかもだ、野党に入れることで受けられる減税措置にあたるので、間違っても自分が投票した議員や党が与党になってはいけないのである。

こんなふざけた法案を何故、与党から出されたのか?それは2世議員である総理自身が囲み取材で明らかにした。

「総理!何故、野党税率など野党に有利な法案を立案されたのですか?」

「いやーさあー、僕2世議員じゃん、親父ってか前総理も、その前の総理も与党に有利にしすぎたよね、選挙したって負けやしない、この前なんか閣僚10人スキャンダルであげられたのに70%の議席とれちゃうんだもん、面白くないよね、だから」

なめ腐っている。完全になめ腐っているのだが、同じ与党議員から反発の声もないことはない当たり前である。しかし、絶大な権力を持つ総理にたてつくということは死を意味する。前回の選挙では野党税率に反対した議員全てに刺客を送り全滅させた。

自身の任期も後3年、どうでもいいと言えばどうでもいい状況、かつ側近の記者にはこんなことを漏らしていたという。
「いやー僕の目が黒い内に野党になってみたいものだ。」

この発言は大変な騒ぎになったのだが、嫌味ではなく本心だとA記者は記事に書いた。実際本心だったらしく頭の弱さを露呈した形になったのだが、国民はお祭り騒ぎである。

野党税率法案が成立した次の日、案の定殆どの新聞で1面を飾ったが、東スポだけは「ミラクル山田、血だらけ」とプロレスラーの流血シーンを1面にしていた。

今回の衆議院選挙は世界中から注目されあらゆる国からジャーナリスト達が日本に滞在しいろいろな情報を各国に報道していた。ある国の報道では特集で、予想屋さんが取材されていた。

競馬や競輪、競艇、オートレース会場にいる予想屋さんとまったく一緒の野党予想屋さん。

イギリスのブックメーカーもこの予想屋特集をオッズの参考にしたとかしないとか。

政治にまったく興味を示さなかった奥様達や若者でも今回ばかりは真剣に勉強した。何故なら絶対に与党に投票しない為である。

これを受け、野党はより細かくなっていった。昨日まで毎日のように離党や分離を繰り返したのである。より野党になりそうな空気を出すことで与党に近づくという謎なカラクリに野党は今まで以上にバラバラになったのである。

野党は野党で「目の黒い内に与党になってみたい」のだ。

しかし、国民は政治家が思うほど単純ではなかった。いくら金銭で釣られたとしても滅茶苦茶な国になることを望んではいない。しっかりとした経済政策、しっかりとした国防政策、しっかりとした外交政策、しっかりとした福祉政策をひとつひとつ吟味し、真剣に投票したのであった。

開票日。

テレ東を除き全ての局、ネット放送局の全ては選挙特番である。因みにテレ東はポケモン22の映画を放送していた。

国民中が注目する開票結果に固唾を飲んでテレビにかじりついた。続々と当確が発表されるなか、自分達が投票した議員や政党に当確が出ると「あちゃー」とうつむく者、なかなか票が伸びない議員や政党に投票したものは「そのまま、そのままー」とまるで場外馬券売場のような声を漏らしていた。

やがて投票が全て終り結果が出た。

勝ったのは与党、自民党であった。あれだけやってもギリギリで過半数を保ってしまったのである。しかし不思議と国民の顔は満足感に溢れていた。選挙に勝利し満足する与党派と、見事野党税率をゲットした野党派は野党派で祝杯をあげた。

馬鹿げた法案は謎に国民をひとつにまとめてしまったのである。

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