2015年8月28日金曜日

「Flavor of life」を何度も聞いてしまう

えー、flavor of life はい宇多田ヒカルの歌ですはい。

好きなんです。この歌、歌詞、メロディ。

ありがとうと♪にこれほど正確に音符をふった作品が過去にあったとは思えない。

たまにいいドラマでもいい映画でもこのキャスティング以外に考えられないという作品がある。その場合、絶対的にそのキャスティングじゃないと成立しないそのマッチングじゃないとダメなのだ。

いや、こいつじゃなくてあいつのが良くね?と思えるような作品は自分にとってツマラナイ作品に当たる。

ありがとうと♪にあてた音符は完全なのだ。

いいドラマやいい映画やいい本の条件にどこを切り取ってもいいものはいいというものが自分にある。

映画で言えばファーストシーンから小説で言えば一行目からだ。このはじめでだいたい決まってしまうと思う。

ありがとうと♪はその一発目に当たるし、この一言で"あっち"に連れていってくれる。

なにも作品だけじゃない人の人生も似たようなものだ。人生なんて言い訳の出来ないレースみたいなもので、どこの家に産まれるかでかなりの差がついてしまうのは今の社会システムからみても認めざるをえない事実なのだ。

日本における社長の息子が社長になる確率は70%をこえる。当たり前だ。それが人というものなのだ。会社は社長の私物にしてはならないと言い息子を入れなかったのは本田宗一郎だが、無限というパーツメーカーの社長になっていた筈。今は知らないが。

しかし、この視点は「金」や「権力」に絞った狭いもので、それだけで幸せかどうかは疑わしいものがある。

社長は社長でツライのだ。だいたいの人間が社長になれないものだから理解できないのはわかるが、結局のところ人の子なのである。

Flavor of life は男女の話しに絞った内容ではなく題名どおり、life つまり人生を歌っている。この、ありがとうと♪という出だしに聞いている人は簡単に持って行かれる。本来お礼という当たり前のこの言葉にどこかヨソヨソしさを感じ、なんだか切ない♪と繋がる。あなたから聴くありがとうにいちまつの不安と距離を感じるという絶妙な感覚が伝わってくる。

人は悲しみに浸る時間が喜びよりも長くそしてそのもどかしさ自体が人生そのもののような暗い内容なのだ、でもとにかく聞かせる。聞いてしまうのだ。

普段から冗談やじゃれあいから口悪く罵りあっているカップルは仲がいい証拠だし周りからみてもうまくいっているなと感じるもの。あらたまったこの"ありがとうと♪"に込められた想いが強すぎて言葉も音符もはみ出してしまう。溢れてこちらに入ってくるのだ。

嫌だと思っても世の中も時間もなんの感情もなく過ぎていく哀愁がこの曲の本筋で、彼女の自然なビブラートがさらに引き立てる。

人生捨てたもんじゃないって♪という救いも入ってはいるが、いっそ突き落としてくれてもいいんじゃないかと思う。しかし諦めが悪いのも人間だったりして、どんな状況でも希望を捨てないのは歌っている宇多田も聞いているリスナーもかろうじて自殺しないで"生きている"という現実が証明している事実。

んじゃ聞いてもらいましょうか。

宇多田ヒカルで「flavor of life 」
https://youtu.be/tpk0PxK-c5E

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